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水素混焼ボイラ、地域熱供給に初導入。 ~臨海副都心地区での稼働開始で脱炭素社会を推進~

このたび、弊社の「水素混焼ボイラ」が東京臨海熱供給株式会社青海南プラントにて稼働を開始いたしました。本製品は、東京都港湾局、産業技術総合研究所、清水建設株式会社、東京臨海熱供給株式会社、株式会社東京テレポートセンターおよび弊社が進めている臨海副都心の脱炭素化を推進するグリーン水素を活用した共同研究の一環として導入されました。

この取組みでは、地域の冷暖房および給湯用の熱供給プラントにおいて、都市ガスとともに水素を燃料とする「水素混焼ボイラ」と、水素を貯蔵する「水素吸蔵合金タンク」を実装し、安全かつ安定した運用を実現するための技術研究を進めています。

■水素混焼ボイラ[JSN-2000HM]の特長

①「CO₂排出量削減」水素を活用し、環境負荷を軽減。

②「業界トップレベルのNOx排出量抑制」実測値40ppm(O₂=0%換算)。

③「都市ガスとのハイブリッド運用」水素供給が限られる場合でも安定した稼働が可能。


水素混焼ボイラの開発の経緯 

弊社では、2016年より、来るべき水素社会を見据え、水素を燃料とするボイラの開発を進めてまいりました。当初は専焼の可能性も視野に入れながら検討を進めていましたが、水素のインフラ・サプライチェーンは2025年現在も転換期にある状況です。このため、弊社では、水素と都市ガスの双方に対応できるハイブリッドな製品技術が必要とされると判断し、都市ガスと水素の混焼ボイラを開発しました。2019年には、水素の高温燃焼時に発生しやすい窒素酸化物(NOx)を抑制する独自の燃焼方式を確立しており、この技術は都市部での厳しい環境規制にも対応可能な性能を備えています。

本製品は、混焼比率を50%に設定することで、弊社が従来展開してきた都市ガス専焼ボイラと比較して、最大約21%のCO₂排出量削減を実現します。また、都市ガスのみでの運用が可能なハイブリッド設計を採用することで、水素供給が限定的な現状においても幅広い地域での利用を可能にしました。この仕様にはBCP(事業継続計画)対策の側面も反映されています。ボイラは熱源を供給する重要なインフラ設備であるため、災害等により水素の供給が難しい場合でも、すみやかに都市ガス専焼へ切り替えて運転を続けることが可能です。

弊社では、来るべき水素社会を見据え、この製品を通じて水素利用の促進とカーボンニュートラル実現に貢献したいと考えています。今後も、環境負荷を軽減する製品の開発と導入に注力し、持続可能な未来を目指してまいります。


製品情報 HydroMix Series( JSN-2000HM)

仕様:水素混焼小型貫流ボイラ

換算蒸気量:2,000kg/h×1台 

混焼比率:都市ガス50% ・水素50%(容積比、最大)
JSN-HM Series 製品カタログ

■東京都ニュースリリース 「全国初!地域熱供給における水素混焼ボイラーの稼働を開始」

https://www.metro.tokyo.lg.jp/information/press/2025/07/2025071805